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小児耳鼻咽喉科

診療内容

診療内容詳細

乳幼児の再発性・難治性中耳炎の診断と治療

乳幼児(特に2~3歳以下)の中耳炎(最初は急性中耳炎)は、再発性・難治性の滲出性中耳炎になり易いのです。理由は、鼻の奥(鼻咽頭)と耳(中耳腔)を連絡している“耳管”の機能(中耳腔の気圧調節機能)が、乳幼児ではまだ未熟で障害されやすいからです。

なぜ障害されやすいかといえば、乳幼児は一般に風邪をひきやすく、アデノイド・扁桃腺が大きいからと言えます。個人差が大きく、風邪をひきやすい子・いつも口呼吸をしている子・寝相が悪くいつも横向きあるいはうつ伏せで寝ている子などは要注意です。

滲出性中耳炎は、痛みや発熱を伴うことなく症状は難聴だけなので、特に一側だけの場合は気付かれず診断治療が遅れてしまうこともあります。就学までの長期戦になります。

当院では、正確な早期診断と治療(炭酸ガスレーザーによる鼓膜切開や鼓膜チューブ挿入術)を行い、遅くとも就学前までには治癒させて、慢性中耳炎(特に悪性の真珠種性中耳炎)への移行を阻止しています。




言語発達外来(聴覚障害児・言語発達障害児の療育支援)

ことばには音声言語と手話言語があります。一般的な音声言語の発達には、その子自身の能力すなわち聴覚機能・構音器官の共同運動機能・知能精神発達と、その子を取り巻くことば環境が大切になります。

言語発達障害の原因の中で聴覚機能障害が占める割合は20~25%だと言われています。耳鼻科医は、その聴覚機能障害の診断・治療ができますし、口腔・舌・咽頭・喉頭などの構音発声器官を診療域としていますので、言語発達障害児にもっと関わるべきだと思うのですが、言語発達外来を行っている耳鼻科(特に診療所)は殆んどありません。言語発達外来を行う上で最も大切なことは、ことばの発達に欠かせない知能心理(精神)発達・行動発達・社会性の発達を、その子の成長に従って的確に評価し導いてゆく“療育”なのですが、その療育が大部分の耳鼻科診療所ではできないからです。

“療育”を担当してくれるパートナーが「言語聴覚士」STです。当院では、15年位前から秋田市の難聴児通園施設・オリブ園の前園長、片桐貞子先生に週一回(木曜日に)来ていただいて言語発達外来を行ってきました。4年前からはオリブ園の大内?先生に隔週で(火曜日)来ていただいて週1.5回に増やしました。2000年の6月からは当院にST(言語聴覚士)が常勤することになりました。

これまで通り、片桐先生・大内先生の支援を受けながら、「聞こえとことばの発達支援センター」として、更に充実した医療と療育の両方ができる診療所を目指して行きたいと思います。 (当院は、社福法人グリンローズ・オリブ園の県南サテライト医院で、私は2009年から同法人の理事をしています。)




言語発達外来(聴覚障害児・言語発達障害児の療育支援)

聴覚機能障害が主原因と思われる言語発達障害の割合は20~25%で、残りの75~80%はADHD(注意欠陥多動性障害)・ASD(自閉症スペクトラム症)・LD(学習障害)などのいわゆる発達障害や知的障害などが主原因とされるが、それらを厳密に区別することができないことも多い。

正確な診断には臨床心理士と小児神経科医のいる施設(小児療育センターなど)が必要だが、そのスクリーニング診断は小児の発達全般を診てきたベテラン小児科医でも十分可能である。当院のすぐ近くに有る岡田小児科の岡田信親先生は小児の感染症だけでなく発達全般にも造詣が深い熟練小児科医で、岡田小児科は横手市の発達障害支援施設(当院もその一つ)である。

いわゆる発達障害児の診療には、小児療育センターなどの専門施設と地域の医療施設と地域の療育教育施設(ももの家などの公的療育施設・こども園・保育園・学校の障害児支援学級)が、保護者と連携しながらその子の成長をサポートしてゆくことが大切である。

15年間の言語発達外来の経験から最も難しいと感じていることは、この縦と横の連携をしっかり取ってゆくということである。

聴覚機能障害・構音発声機能障害の専門医と小児のことば発達・知能精神発達・社会性や行動の発達をかなり正確に評価(検査)できるベテラン言語聴覚士のいる当院と、岡田小児科が連携しながら、いわゆる発達障害児に対処できる地域の医療施設としての役割を担ってゆきたいと思っている。